キャンプや冒険旅行のお供に!ユニークな設計思想を持ったシュラフ2選 | 寝袋・枕 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

キャンプや冒険旅行のお供に!ユニークな設計思想を持ったシュラフ2選

2021.09.06

キャンプのベストシーズンがやってきた!ユニークな設計思想を持った最新シュラフをVersus!

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一気室構造でヌックヌク!

SPIDER BAFFLE

モンベル/
シームレス
ダウンハガーシリーズ

同社が独自開発した「スパイダーバッフル」を搭載するシリーズ。表地に縫い目のない一気室構造なので「シームレス」というシリーズ名がついている。900FPダウンを使う上位モデルは表地に「ゴアテックスインフィニアム・ウインドストッパー」を採用しているので、シュラフカバーが不要だ。

¥23,100~¥68,200
※ハーフレングス、Women’s含む
問い合わせ先:モンベル・カスタマー・サービス 06(6536)5740

SPEC
※シームレス ダウンハガー800 #3
●重量=555g(スタッフバッグ含む)
●中綿=800FP EXダウン
●収納サイズ=∅13×26cm(3.0L)
●適応身長=183cmまで対応
●快適温度=4度C
●使用可能温度=-1度C

 

ここがスゴい!

噛み込みしにくい超絶ジッパー

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軽量な80cmのショートジッパーを採用。スライダーには生地の噛み込みを軽減する特殊パーツが取り付けてありこれが超便利なのだ。

ドライシリーズは防水透湿素材採用

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900FPダウンを使うモデルは表地に「ゴアテックスインフィニアム・ウインドストッパー」を採用した防水構造。縫い目もシーム済み。

内側は従来どおりストレッチ構造

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一気室構造ではあるが、内側はゴム糸を使った斜めのシャーリングを入れてあり、豊かな伸縮性を有している。伸縮率は最大135%ある。

特殊な糸に羽毛を絡ませ
隔壁をなくした変わりダネ

長らく新技術の登場していなかったシュラフ界に、昨年、画期的な製造方法が登場した。それが「スパイダーバッフル」だ。

これは枝のような触手をもつ特殊糸「スパイダーヤーン」に羽毛を絡ませることによって、シュラフ内部に羽毛を均一に保持する方法。こうすることで従来の隔壁を取り払い、広々とした空間で羽毛が“本来の膨らみ”を発揮できるようにしたのである。

前例のない試みだったので当初は僕も「本当にこれで大丈夫なの?」と思っていたが、実際に使ってみると想像以上に暖かい。体温で暖められた空気が満遍なく全身に行き渡る感覚は、一気室構造ならではのものだ。

このシステムはたちまち評判となり、自信を持った同社は今年の春からトップレンジの900シリーズと800シリーズの全モデルにこのシステムを導入。いまや合計29モデルをそろえる一大勢力に発展したのである。

ただ、完全にダウンの偏りがないかといえばそんなことはない。就寝前には全体を揺らして羽毛の偏りを今一度修正するなど工夫は必要。ある程度の使いこなしができるベテランや、究極の軽さを求めるミニマリストにお薦めしたい製品だ。

V S

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筒抜け型で自由自在!

QUILT BAG

シートゥサミット/
トラベラー Tr2

オーストラリアの『シートゥサミット』はその社名のとおり「海から山まで」使える幅広いギアを揃えるが、本作はまさにその真骨頂。超軽量シェルと高品質なダックダウンを組み合わせ、結露しにくく十分な暖かさを実現した。同シリーズにはダウン封入量を200gに減らしたより薄くて軽い「トラベラーTr1」もある。

¥30,250
問い合わせ先:ロストアロー
https://www.lostarrow.co.jp/store/

SPEC
●重量=645g
●中綿=750FP ダックダウン
●収納サイズ=∅15×35cm(4.5L)
●適応身長=183cmまで対応
●快適温度=5度C
●使用可能温度=-1度C

ここがスゴい!

使い勝手の良い
フルサイズジッパー

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ジッパーにはダブルスライダーが付き、上からも下からも開けられ、切り離しもできる。スライダーは中からも外からも引けるタイプ。

足元も筒抜けで広い温度域に対応

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足元を筒抜けにすることで盛夏や低地のキャンプにも臨機応変に対応できる。もちろんここを引き絞って保温力を上げることも可能だ。

ヘッド回りを省いたシンプルな形状

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レクタングラー(封筒)型のように頭部がないデザインで、軽さと汎用性を高めてある。ドローコードで肩まわりを絞ることができる。

究極のシンプルデザインで
汎用性が高い旅シュラフ

一方、徹底的にシンプルにつくることで軽さと汎用性を叶えたのがこちら。シートゥサミットの旅人用シュラフである。

同社のウェブサイトには「スペインの巡礼旅、世界一周旅行、冷えた機内。思わぬ車中泊のためにクルマに常備しておくのもいいかもしれません」と紹介されているが、まさにそういった幅広い用途に使えるのが魅力だ。

最大の特徴はフードもなく、足元も閉じられていない「筒型デザイン」。サイドジッパーを開放すればダブルサイズのキルト(掛け布団)になり、真夏や低地でのキャンプでも快適だ。

また下部をわずかに絞ったシェイプだから、冷えが気になるときには肩と足元のドローコードを絞れば十分暖かく眠れる。

羽毛素材はグース(ガチョウ)ではなくダック(アヒル)のものを採用。ダックダウンは安価な分、保温性能が劣ると思われがちだが、本作はコンフォート温度が5度C、リミット温度がマイナス1度Cと十分なスペックを確保している。シェルに15Dナイロンを採用し、645gという軽さを達成。ソロキャンから夏の冒険旅行まで、あらゆる用途で活躍してくれる。あとは君の使い方次第なのだ。

 

私が書きました!
ホーボージュン
大海原から6000m峰まで世界中の大自然を旅する全天候型アウトドアライター。Twitterアカウントは「@hobojun」。

※撮影/中村文隆

(BE-PAL 2021年6月号より)

 

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